SSTR2018 備忘録その④完結編 2018.5.26(土)・27日(日) 

「こりゃテント泊は無理だったな。」

これが珠洲市の国民宿舎のとじ荘の客室のベッドに腰を下ろした瞬間に出た言葉。

名古屋から羽咋市千里浜まで約300km、千里浜から珠洲市まで約140km、合計400km以上シェルパで走って疲労困憊。

そこから買い出し、テント設営、入浴(できれば)、夕食準備…、しかも18時から。

これらはかなりの負担。

 

2018.5.27(日)一夜明けて出発の朝。荷物の積み方を変更してます。分かりますかね?シートバッグを後ろ側に変更し、少しでもお尻の位置移動ができるように場所を確保したんだよ。これにより前日よりはケツ痛が多少ましになった。

 

ちょっと前から感じていることは,長距離ライドとキャンプは両立困難だということ。

やってやれないことはないかも知れないが,とにかく疲れてどちらも中途半端な楽しみ方になってしまう恐れがある。

純粋な長距離ライドならライド、キャンプなら適当な距離を走ってキャンプ、どちらをメインにするかを考えて走らないとだめだね。

最近は息子たちとキャンプにでかけても、テント泊ではなくバンガロー泊が圧倒的に多い。それは設営と翌朝の撤収の煩雑さもあるし、帰宅後のテントや寝袋、キャンプ用品のメンテの煩雑さもある。

それよりも息子たちとまったりした時間を少しでも共有したいという思いの方が強くなってきたんだよね。

もちろん諸々の煩雑さの中ででも時間の共有は可能だが、そこに「まったりと」という要素を入れ込むのは困難ではないかと考えるようになってきた。

まあね、設営や撤収、メンテそれぞれが非効率だから時間を食っているんでないの?という声も聞こえてきそうだが、一概に俺や息子たちの非効率さが他者と比較して突出しているわけではないと思うけどね。

ただ、そうはいうものの、俺一人で走るオートバイでの「孤独なテント泊」にはいわゆる男のロマンがあるし、また再開するとは思う。

道具は揃っているしね。

 

さて、下左は見附島。同右は宿泊した国民宿舎「のとじ荘」。

前夜入浴時、露天風呂につかりながらライトアップされた島影を見たときは、いつになく旅情にひたることができたよん。

 

地層がはっきり分かるね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA時間は前後するが、のとじ荘での夜はベッドに埋め込みの時計が23:00を示す前に終焉を迎え、日付がかわって5時頃一旦目が覚めた。

もう一度目をつぶったが、5時半には起床してコーヒーを入れた。

前日に「このロケーションではないな」、と思っていたコンビニ(ちなみにファミマ)で購入しておいた食材と、昨夜の残り物で朝食開始。

あ、その前に朝風呂にも入ったね。

本当に贅沢な時間だった。

 

そして二日続きの快晴の下、8時ちょっと過ぎにのとじ荘を出発した。

見附島をカメラに収め、いよいよ能登半島最先端を目指しスーパーシェルパ(2004)を走らせた。

目指すは道の駅「狼煙(のろし)」。

 

最高の天気だ。こんなにいい天気が続く週末も珍しいね。

能登半島はハーレー(ローライダーS(2017FXDLS))で走っても気持ちいいだろうね。

 

狼煙まであと2km。

ん?一台のオートバイに追いついた。

スーパーシェルパ(2004)を軽快に走らせているから、細かいワインディングはオフ車の方が速いんだよね♡

 

割とゆっくりペースなので抜こうかなとも思ったが、あと2kmだしね。

でも、よく見ると「八戸」ナンバー!

青森県ですぜ!青森!

今回のSSTRに参加したの?凄すぎ。

まあでも考えてみると愛知県の俺が一番千里浜に近いロケーションなんだね。

もちろん遠回りする連中もいるだろうけど。

 

はーい、道の駅「狼煙」に到着。

 

ここでさきほどの前を行くオートバイの主を見てびっくり。

背筋はピンと伸びて体格もよさそうだけど、どう見ても俺よりご年配。

恐らく60代半ばぐらいか。

で、青森からですか?

今回のSSTRでは、総参加人数3,071人中50歳代が1,117名で、40歳代が約1,062人の参加。

そう、40歳代と50歳代で全体の7割強を占めてるんだよね。

ちなみに10歳代12名、20歳代285名、30歳代約351名、60歳代約237名、70歳代7名。

最年少者は17歳で、最年長者は75歳とのこと。※いずれもエントリー数。

この構成比って、そのまま日本のオートバイ乗りの構成比だよな。

40歳代と50歳代のオジサンたちで二輪業界がもっているってことだ。

ツーリングに出かけて高速道路のサービスエリアや国道・県道沿いの道の駅、はたまたすれ違うオートバイ乗りを見ても、ほとんどがオジサンだもんな。

しかも30歳代ではないオッサン(笑)。

もちろんほとんどがいわゆる「リターンライダー」なんだろうけど、言ってみりゃ最後のアナログ世代かな・・・。

とにかく自身で「体験」しないとだめな世代というか、モノに執着する世代というか。

俺なんかその典型だしね。

 

たまには自撮りでも(笑)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

さあ、狼煙をあとにして輪島駅前の信号交差点。

ここ輪島駅は、大学時代に高校の同級生(RZ250氏)と能登半島一周ツーリングをした際に集合場所に設定したところ。

俺は大阪から、彼は地元名古屋からスタートしてここに朝何時かに集合する予定だったんだよね。

そう、「だった」んだけど、俺が1時間程度寝坊してしまったのだ。

前夜に学生寮の連中と明け方まで麻雀をやっていて、ほとんど睡眠時間ゼロだったんだな。

慌てて飛び起きたけど時間は戻せない。

学生寮から程ない名神高速吹田ICから高速に飛び乗り、スズキGSX400FSインパルス(黒/赤)にしがみつき、ノンストップで輪島を目指した。

もう時効だからいいけど、400ccのオートバイで、140km巡行で石川県まで走ったんだよ。今では絶対無理(笑)。法令順守だしね♡

当然その頃は携帯電話なんてないから、待ち合わせ場所で落ち合えないと待つしかないんだよね。待つか一人で行っちゃうか。

でもね、彼は駅前の喫茶店で1時間待っててくれたんだよね。

「正直もう行こうかなと思ったてー」と言いながら。

北陸自動車道を下りてから輪島へ向かうルートは恐らく同じだろうと思っていたのだが、案の定彼が先に走っていたと思わせる痕跡を一つ発見したんだよね。

それはタバコの吸い殻。

彼も俺と同じショートホープ(青)を吸っていた(俺はホープライト(赤)だが)のだが、その吸い殻を国道脇の小さなパーキングのベンチ下で偶然見つけたんだね。

気になってその吸い殻をよく観察すると、銘柄はショートポープで、ポイ捨て(だめだよね、まったく)されてまだ時間がそんなに経っていないようだった。

いかにも彼が休憩しそうなこじんまりとしたパーキングだったので(俺も好むパーキング)、彼だと確信し、さらに通過後間もないと推察できたので、これはひょっとして間に合うかも知れないと先を急いだわけだ。

幸い前述の通り彼が1時間喫茶店で時間を潰してくれていたおかげで合流でき、その後2泊3日の能登半島一周ツーリングを満喫できた。

ちなみにパーキングの吸い殻はまさしく彼のポイ捨て(だめだよ)で、「何で(そこで休憩したのが)分かった!?」と驚いていた(笑)。

 

旅も終盤。トイレ休憩した「こじんまりとしたパーキング」にて。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
田んぼと里山の構図がとても印象的だったので。

 

そのままのと里山自動車道⇒能越自動車道⇒北陸自動車道ルートで帰るのも味気ないと思い、ツーリングマップルを頼りに「能登島」を経由することにした。

あのデカい橋を渡るべく、スーパーシェルパ(2004)の機動力を生かして近道をしたはずだったのだが・・・。

 

民家の玄関先で行き止まり(笑)。でもスーパーシェルパ(2004)なら難なくUターン!

 

よくこんなところにこんな巨大な橋を渡したね。でも絶景絶景!

 

ほんと自転車人口って増えたよね。

 

お、SSTRのゼッケンシールを貼ったタンデムからVサイン。

後は彼女ですかい?奥さんですかい?それとも愛人ですかい?

はい、大きなお世話っすね。

 

いやぁ~本当に気持ちいい。能登島を経由して大正解。

 

さあ、ここいらでルートを帰路バージョンにしないと。

能越自動車道に向かうよ。

 

能越自動車道の高岡ICで一旦下りて、道の駅「万葉の里高岡」でビデオとカメラをシートバッグに収納した。そして、今回のSSTRは事実上ここで終了。

もちろん自宅に無事帰り着くまでがツーリングだから、ここからもまだまだ走るわけだが、あとは能越自動車道⇒東海北陸自動車道⇒名神高速⇒名古屋高速と乗り継ぐだけ。

気分的にはこの道の駅で今回の「2018 SSTR」は終了だ。

本当にこのスーパーシェルパ(2004)は、ノントラブルで800kmを超える距離をよく走ってくれた。

真骨頂のダート走行は全体の1%もなかったけど、今回のロングツーリングでさらに愛着が強くなった。

また、今回初参加のSSTRについては、素直に「参加して良かった。」と思えるイベントだった。

オートバイ歴37年の中で、いわゆるミーティングの類には半ば嫌悪感を抱いてきた俺だったが、自身の走る目的作り以外にも、同じ目的を持ったオートバイ乗り達がそれぞれの日常から非日常に向かって同じ日、同じ時間にオートバイを駆る姿に感動を覚えたし、何か連帯意識のような感覚が芽生えたのも事実だ。

ただ、そうは言っても「オートバイは一人の時間を楽しむもの」という考えに変化はないし、今までもこれからも基本は「一人」である。

しかしながら今回の経験を通して、一年に一回ぐらいなら同様のイベントに参加するのもいいのかな、と思えた。

もちろんツーリングにイベント的なものを欲っせず、ただ走ることだけで楽しい俺なので、SSTRでいえば、ゴール後や翌日のイベント等には参加するつもりはない。

それぞれのオートバイの楽しみ方があっていいのだから。

 

この分だと来年も参加するだろうな。

ただね、スーパーシェルパ(2004)にするかローライダーS(2017FXDLS)にするかが悩みの種だな。

ケツ痛に耐えながらスーパーシェルパ(2004)の250ccエンジンで片道400kmを走り切ったから、「達成感」を得ることができたような気がするんだよね。

これをローライダーS(2017FXDLS)の余裕の1,801ccエンジンでビューンと走って行ったら、今回のような達成感を得ることができるのかどうか。

ま、どちらにするかは1年かけて悩みますかね(1年も悩まないけどね)。

 

ということで4回にわたった「2018.5.26(土)・27(日)SSTR備忘録」はこれにておしまい。

 

最後に、父が亡くなってまだ10日という心の整理も十分ではない状況で快く送り出してくれた母や、いってらっしゃいと笑顔で見送ってくれた二人の息子に感謝したい。

 

そして、何よりも、3ヶ月の闘病生活の末、81年の生涯に幕を閉じた父に、

無事故、ノントラブルで無事ツーリングを終えることができました。

見守ってくれてありがとう。

 

 

 

kz-blues

ハーレーやオフ車で気ままに走っていれば、気分上々のオッチャンです。ギター(エレキ、アコースティック)も弾くし、革細工もやる。自転車(ジオス・スパジオ)も早朝トレーニングで乗っているよ。1分1秒でもハッピーに過ごせたらいいなぁーと毎日を生きています。

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