東北ツーリング7泊8日。第8日目【最終日】 < 群馬県藤岡市 ~ 清里、八ヶ岳 ~ 自宅> 2020年10月30日(金)

さあ、7泊8日のロングツーリングも今日が最終日。ルートもそうだが、まずは無事故で無事に帰宅することだ。

6時09分、群馬県のビジホテ宿泊部屋から朝ぼらけを望む。

方角的には北北西なんだけど、山々の名は分からない(^^ゞ 。

最終日の朝食はビジホテのバイキングではなく、昨夜コンビニで買い出ししたもので済ませた。

まあ、持参した豆からひくコーヒーがあるからそれで十分なんだけどね。

8時33分、今回の旅最後の宿を出発。

ここは群馬県藤岡市。すぐお隣が富岡市。

そうですね、お隣はあの世界遺産にも登録された富岡製紙場がある自治体。

昨日富岡に泊まろうか迷ったんだけど、予約したSAから50km+αあったし、仮に富岡に宿を取っても世界遺産にはあまり興味関心がなく、そもそも見て回る時間的な余裕もなかったので藤岡にしたのです。

さあ、今日のルートは昨日下りた北関東自動車道藤岡ICから高速道路に乗るところから始まる。

同自動車道を30㎞弱西進した下仁田ICで下り、国道254号線をさらに西進。

そのまま長野県佐久市入りするというもの。

そこからのルートは未定なのだが、おそらくは諏訪市辺りから中央道に乗ってそのまま名古屋まで、というコースが濃厚にはなっていた。

群馬県内では県道45号線や同93号線も考えたが、とにかくこの時期、標高のある道路は凍結が心配。ロンツー最終日に山奥の県道で転倒、なんてのは避けたいし。

国道254号線で群馬・長野県境を越えた佐久市内で道の駅の案内板を見たのだが、何故かたどり着くことができず、国道141号線沿いでツーマプチェック。

もう道の駅はどうでも良くなったので、マップ上で目に付いた「蓼科スカイライン」に標準を絞る。

国道141号線をUターンし、同スカイラインの案内板通りに国道を折れた。

しばらく標高を上げたところで工事中看板登場。

これは仕方ない。

冒険して進入するまでもないでしょうよ。

こちとら2,000㎞以上走行後の身なんすからね。素直にUターンしかない。

再度国道141号線を南下し始めるが、「このままじゃ高速のインターまで国道やんけぇ~!」と、枝分かれしていた道に入ってみた。

すると八ヶ岳がきれいに見える農道に出た。

いいな、このシチュエーション!

東北の旅に出たのに、日帰りツーリングの途上みたいだ。

広角レンズのお陰で俺の幅が広がっている(^^ゞ 。

再スタートしてしばらくい行くと、何だか人工的に作られたメルヘンチック、だけど昭和の香りがプンプンする街並みが現れた。

WELCOME TO KIYOSATO !

清里?

ああ、何だか若いころに関東圏の連中がこぞって出かけていたエリアかい?

「何となくクリスタル」みたいな本がベストセラーになったような時代、バブル期だったかな?

当時からはやりすたりに全く興味関心がなかったので、ここ清里にも行きたいなんて思ったことがなかったな。

ただ、もうかなり商業施設も老朽化が目立っていて、とうの昔にブームが過ぎ去り、今はもうそんなに訪れる観光客もいないのかな。

ただ、平日にもかかわらず、まばらだけど観光客が歩いていたけどね。やっぱり関東圏の人間かな。

そんな清里を通り過ぎると(動画にも撮ったけどボツ)、少々大きめのパーキングが見えてきた。

まあ、(-。-)y-゜゜゜すっぺか。

同公園を出発し、再度八ヶ岳高原ライン(県道11号線)を下る。

もうルートは近辺のICから中央道に乗る一択だ。

俺の好きな国道ベスト5に入る、国道152号線で南下するルートもあったが、日帰りツーリングで行くことができるルートだし、あえて今回のツーリングで走ることもないでしょうよ。

12時20分頃、中央道小淵沢ICから高速道路に乗った。

案内表示板に「諏訪湖」の文字が見えたぐらいから、どんどん見慣れ、聞き慣れた文字が目に飛び込んでくる。

やはり、事実として名古屋に向かっていることや、いわゆる「現実」に引き戻されている自分を再認識する。

13時44分、中央自動車道 座光寺PAにて小休止。

伊那、駒ケ根、飯田、中津川…

長野県を通り過ぎ、もう愛知県のお隣岐阜県じゃないか。

時速100kmのスピードで淡々と走っているようだが、頭の中ではフラッシュバックのように様々な事柄が浮かんでは消えていく。

ただ、1つの事柄をずっと長く、頭の中で考え続けることはできない。

オートバイを操縦していると、物事を断片的、言い換えればとても「シンプル」にしか思考することができない。

このことは、俺の40年近いオートバイ人生では不変である。

他者のことは分からないが、少なくとも俺はそうだ。

あきらかに車を操縦している時とは異なる。車では同じ事柄をいつまでも考えることが多い。

それはおそらく、車の車内環境が、家、部屋と同じだからだろう。

雨、風、寒さ、暑さとは無縁であり、音楽も聴けて腹が減れば飲食もできる。もちろん転倒なんてことは起きない。そう、常に快適なのである。

御承知のように、オートバイではまったくその逆で、危険と隣り合わせでもある。

人間の体、脳が優先順位を考え、オートバイ乗車時のような過酷な環境下では「余計なこと」に労力を使わないようにするのだろう。

1つの事柄をずっと考え続けていたのでは、いつ何が起こるか分からないような過酷な環境下で臨機応変に人体が対応できない。

ただ、それゆえに人体が研ぎ澄まされ、本能的な部分が冴えてくるのだろう。

林道でのダート走行なんかでは、このことがより鮮明になる。

ダート走行中に「他事」を考える暇なんてないもんね。

その瞬間瞬間で走るラインを本能的に決めなくてはならない。「昨日の仕事でこうだったよな…」なんてことを断片的にでも考えていたら、すぐに大きな石や溝にフロントタイヤを取られ、オートバイ諸共地面に叩きつけられるよね(笑)。

このまま進めば名神高速道路小牧ICから名古屋高速、というルートが定番だが、東海環状自動車道で大回りし、出港したフェリー埠頭のある伊勢湾岸自動車道の名港中央ICで下りることにした。

そう、今回のロンツーの旅立ちの地に帰ってみたかったのだ。

豊田、刈谷と馴染みの地名が出てきた。

そしてついに、眼前に名古屋港が見えてくる。

帰ってきたどぉ~!

見慣れた景色も、何故かよそよそしいのは何故だろう。

どうしたわけか、少し照れ臭い。マイホームタウンなのに…。

帰って来た。

1週間前の10月23日(金)19時、ここから仙台に向かって出港したんだな。

1週間前の俺は、ここで何を考え、何を感じていたのだろう。

8日間という時間が経過した後、ここでこんな風に景色を眺めていると想像していただろうか。

1日24時間は万物に与えられたもので、誰かが1時間少なくて誰かが1時間多いわけではない。

また、努力や節約によって増減するものでもない。

1日は誰にとっても24時間だ。

要は、定められた時間をどのように使うかで、その24時間が25時間分の価値になったり、23時間分の価値になったりするのだ。

今回の俺の東北ツーリングを自画自賛したり、大層大きな価値があったように語ったりするつもりは毛頭ない。

ただ、この齢で7泊8日ものロングツーリングに旅立ち、無事帰還できたことに対して、自身がいかに恵まれた環境下にいるのかということを考えざるを得なかった。

家族をはじめ、職場の同僚や友人知人に支えられながら日々生きているからかそ、1日24時間を25時間や26時間の価値にすることができているのだと。

16時少々前、自宅着。

16時少々前に無事自宅着。

いつも通り晴れた日には布団を干し、その布団を定刻にパタパタと叩いているお袋が俺に気が付いた。

東北ツーの途上、何泊目のビジホテだったのかは忘れてしまったが、お袋あてのメールの返信に、生まれて初めて「ありがとう。」の文言を入れた。

もちろん面と向かって感謝の言葉を送ったことはないのだが、それはメールでもなかった。

ただ、こんな長期間家を空けることが今までなかったので、お袋もさぞかし心配しているに違いないと思い、何度かのメールのやり取りの返信で「ありがとう」の言葉を添えたのだ。

その言葉に対してお袋からの反応はなかったが、自宅に着いて家に上がると、「無事帰って来たか。」と言うお袋の声が震えていた。

本日の走行距離 420.6km

全走行距離 2,247km

明日(10/31(土))洗車してやるからな。

案の定使用しなかった、ポータブルキーボード(^^ゞ 。

のべ8回(9回?)に及んだ東北ツーシリーズ、全て見ていただいた方々に感謝です!

また、途中飛ばしてみていただいた方々、是非、全て見てみてください(^^ゞ 。

この翌日の洗車やパーツ取り付け、ローライダーS やシェルパでの日帰りツーリング等の記事がたくさんたまっていますので、またぼちぼりアップしていきます。

それでは、東北ロンツーの記事はここで完結といたします m(__)m

kz-blues

ハーレーやオフ車で気ままに走っていれば、気分上々のオッチャンです。ギター(エレキ、アコースティック)も弾くし、革細工もやる。自転車(ジオス・スパジオ)も早朝トレーニングで乗っているよ。1分1秒でもハッピーに過ごせたらいいなぁーと毎日を生きています。

8 throughts on "東北ツーリング7泊8日。第8日目【最終日】 < 群馬県藤岡市 ~ 清里、八ヶ岳 ~ 自宅> 2020年10月30日(金)"

  1. おはようございます。
    「哀愁漂う男の旅」をあたかも自分が行ったかのように楽しまさせて頂きました。
    「男の旅」良いですね、しかも相棒は単車で、しかも東北。最高ですね。
    これが「ギャルが行く東北」では、ちと違いますから。
    無事に帰宅され、まだ余韻が脳裏に漂ってみえると思います。

    1. 服部さん、コメントありがとうございます。

      『哀愁漂う男の旅』ですか(^^ゞ 何だか演歌の世界ですね(笑)。
      やっぱり男は一人旅ですよ。孤独を楽しめる男じゃないとね(^_-)-☆。
      まあ、単車に乗り始めた10代の頃からいつも一人でしたからね。
      高校時代に中型免許を持っている連中が10人弱(同学年では約3%!)いたのですが、その中のいわゆる「族」に入っている数名の同級生から、
      「一緒に暴走しない?」って便所で会うたびに誘われていましたが、「群れるのは嫌いだからね。」っていつも同じセリフで断っていましたよ。
      で、そいつらもいつも同じセリフで、「なんだぁ、〇〇(私)は正統派ライダーかよ。」って(笑)。

  2. おーぉ、しみじみ心の声が漏れましたなー、お帰りなさい。

    前半で大変な天候に遭遇するも見事にさまざま目標を達成てき、本当に良かったですね。

    実に凄い事ですよ、我々の年齢で2輪での長距離を走るという事は。体力にも勝る二輪車愛を痛いほど感じましたね、kzさんから。

    来年のロンツーもありそうですね(笑)

    1. 春信さん、コメントありがとうございます。
      まあ、単にオートバイで東北に遊びに行っただけのことですので(^^ゞ 。

      それでも仰る通りで、まさかこの齢で東北を7泊8日かけてオートバイで走るとは思っても見ませんでした。
      たまたま職場で3年前に新設された「リフレッシュ休暇」を利用することができたのも幸いでしたね。
      どうせ行くなら「初めての地」というのもありましたし。

      ただ、時間や欲求はあっても、それを行動に移すかどうかは別問題。
      いつも職場の職員や息子たちに言っている、
      「こうしたい、ああしたいは誰でも言うが、それを行動に移すかどうかは、その思いがどれだけ強いかで決まる。」
      「できないのではなく、どうしてもやりたいという気持ちがないだけ。」
      「本当にやりたいと思ったら勝手に頭や身体が動く。」
      「やらない奴はできない理由を並べるが、やる奴はどうしたらできるのかを考える。」
      ってなことを有言実行してみました、ってところでしょうか(笑)。

      このロンツー後もローライダーS やシェルパで走りに行っているので、記事がたまっています(^^ゞ 。
      実は今日(12月5日(土))もシェルパで軽く林道を走ってきましたヽ(^o^)丿 。

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